ランの世界
講座終了
講座概要
講座番号 | 16120051 |
---|---|
期間 | 2016年4月11日 ~ 2016年6月27日 |
回数 | 11回 |
曜日 | 月 |
時間 | 18:30~20:00 |
定員 | 40名 |
通常会員料金 | 10,000円 |
明大カード・福利厚生会員料金 | 9,000円 |
学生・生徒・教職員会員料金 | 5,000円 |
法人会員料金 | 8,000円 |
キャンパス | 駿河台キャンパス |
アカデミー・ポイント リベラルアーツ |
2 AP |
講座趣旨
ランは魅力と不思議さにあふれた植物です。ラン科植物は、その生態にきわだった特徴があり、その生育環境も樹木の幹や枝、高山の岩場、湿地、都会の芝生など多岐にわたっています。中には全く葉緑体を持たないランのように特殊な環境適応能力をもつものもあります。この講座では、日本国内と世界各地のランを題材に、その魅力と不思議な生態について解説します。絶滅の危機に瀕している希少な野生ランを保護するためのフィールドワークの現状と問題点についても触れます。また、園芸植物としてのランの鑑賞と栽培、野生ランの上手な育て方などを解説します。加えて、植物学、生態学、遺伝子工学等の基本理論を正しく理解するための解説も提供します。ランの生態や栽培に興味・関心のある方、これから山野草や野生ランと親しもうと考えている方、植物学や自然環境保護等に興味をもつ学生など、初心者の方も歓迎です。
講義概要
日付 | 内容 | 各回の詳細 | 担当講師 | |
---|---|---|---|---|
1 | 2016/04/11(月) | 蘭学事始 | ラン科植物の特徴など | 遊川 |
2 | 2016/04/18(月) | 自然保護の条例 | 東京都の自然公園のランに適用される条例上の規制など | 夏井 |
3 | 2016/04/25(月) | 野生ランの新しい栽培法 | ダンボール栽培、透明カップを利用した根の観察法など | 小田倉 |
4 | 2016/05/09(月) | 野生ラン―新旧の話題あれこれ | 栽培に関する常識の時代的変化、栽培法の進歩、園芸資材・肥料等の新製品とその効果など | 三橋 |
5 | 2016/05/16(月) | ランと共生菌 | ランと共生菌の不思議な関係、共生菌を用いた蘭の育成 | 谷亀 |
6 | 2016/05/23(月) | ランの遺伝子 | ランの遺伝子研究とその応用など | 半田 |
7 | 2016/05/30(月) | 室内・ベランダでの希少種の保全・増殖 | ワインセラーを用いた栽培、室内栽培での留意点など | 石井 |
8 | 2016/06/06(月) | 洋ランの楽しみ | 日本における洋ラン栽培の文化、洋ランの栽培方法など | 望月 |
9 | 2016/06/13(月) | ランの実生フラスコ栽培と希少種の保全・増殖 | 希少種保全におけるフラスコ苗の重要性、フラスコ栽培の実際など | 倉田 |
10 | 2016/06/20(月) | ラン・ネットワークの保護活動(2015年~2016年) | 井之頭公園に自生するランとその保護活動など | 大貫 |
11 | 2016/06/27(月) | 懐風藻の蘭 | 懐風藻に収録されている詩にある「蘭」の同定など | 夏井 |
教材
リバティアカデミーブックレット22 ランの世界
※教材は受講料に含まれています。
講師紹介
遊川 知久
(ユカワ トモヒサ)
国立科学博物館 多様性解析・保全研究グループ長
『英国王立園芸協会A-Z園芸植物百科事典』(翻訳分担:誠文堂新光社,2003)、「日本の植物園における絶滅危惧植物の保有状況とこれからの取り組み」、「ラン科植物の野外播種試験法-土壌中における共生菌相の探索を目的として-」、など著書・論文多数がある。
夏井 高人
(ナツイ タカト)
コーディネータ・明治大学法学部教授・弁護士
「植物分類体系の変化が法制度に与える影響-大麻規制法令を中心とする考察」、「狸狢事件判決再考」、「ランと法律」などの著書・論文がある。明治大学法学部「法と情報コース」の主任教授として関連科目を担当するほか、「植物と法」という講義科目も担当。
半田 高
(ハンダ タカシ)
明治大学農学部教授(農学博士)
遺伝資源、遺伝子マーカー、花の香りなどを中心に研究している。『食料科学バイオテクノロジー』(培風館,1989年) 、「Dendrobium属の分子系統解析」「セッコクの花器官形成遺伝子」など多数の著書・論文がある。
谷亀 高広
(ヤガメ タカヒロ)
瑞穂町郷土資料館 けやき館 学芸員
千葉大学大学院自然科学研究科卒(理学博士)。北海道大学北方生物圏フィールド科学センター植物園博物館助教等を経て国立科学博物館筑波実験植物園研究員を務める。名古屋国際蘭会議組織委員会NIOC賞等を受賞。ラン科植物の共生菌とその培養に関する権威。菌類の事典(共著・朝倉書店)などの著書・論文がある。
小田倉 正圀
(オダクラ マサクニ)
東京山草会会長
朝日カルチャーセンター講師、NHK趣味の園芸講師、世界蘭展日本大賞(東京ドーム蘭展)キャプテン審査員、日草展実行委員長などを歴任。『日本の野生ラン』(主婦と生活社、1979)、『野生蘭の栽培と増殖』(池田書店、1988)、『野生ランを楽しむ』(朝日新聞社、1990)、『ふやして楽しむ野生ラン』(農文協、2000)など多数の著書がある。
三橋 俊治
(ミツハシ シュンジ)
伝統園芸鉢作家・東京山草会ラン・ユリ部会部長・ラン・ネットワーク副代表
ランの栽培に用いる伝統園芸鉢の復元及び創作のかたわら,野生植物の栽培と希少ランの保護に努めてきた。『初めての野生ラン-失敗しない育て方』(主婦と生活社,1990),『野生ラン変異事典-変わり花と斑入り葉173種』(月刊さつき研究社,1985)など多数の著書がある。2002年には英国のRoyal Horticultural Society(RHS)において受賞するなど国際的評価も高い。
望月 信和
(モチヅキ ノブカズ)
望月蘭園代表
日本洋蘭農業協同組合理事、正審査員、世界蘭展日本大賞(東京ドーム蘭展)組織員及び審査員、「パフィオフォーラム・ひぬま」主宰。ランの専門誌にランの生態及び栽培に関する多数の論文・講演等がある。
石井 佑基
(イシイ ユウキ)
東京山草会ラン・ユリ部会幹事
「赤色ならびに青色発光ダイオード下において栽培したペチュニアとシロイヌナズナの花成関連遺伝子発現に関する解析」(共著)などの論文のほか、「ワインセラー栽培」などの著述が多数ある。ランの生理学に関する研究成果をもとに、マンションなど本来はランの栽培に適しない場所でのラン栽培の実験に取り組んでいる。
倉田 英司
(クラタ ヒデシ)
東京山草会事務局長
野生ランのフラスコ培養や野生ラン自生地における保全と保護にとりくんできた。蘭鉢の継承にも取り組んでいる。
大貫 一夫
(オオヌキ カズオ)
ラン・ネットワーク幹事(井の頭公園担当)
内外の野生ランについて詳しく、自らラン科植物を栽培しつつ、絶滅に瀕している野生ランの保護活動に積極的にとりくみ、とりわけ井の頭公園における野生ランの保護増殖活動の中心的な役割を担ってきた。